ベトナム市場における日本人富者による不動産プレイ

市場コンサルティング会社「ジョーンズ ラング ラサール (JLL)」の2017年予測によると、今後10年で日本の不動産グループ・不動産投資基金から、国際投資への新たな波が起こる可能性が高いとの事。これは1980年代、日本投資家が海外資産を買い漁った際と同様の波を連想させる。JLLは、日本最大の投資家・機関が5,000億USD以上を直接投資できると推定している。これは、ベトナムが潜在的な地域であると考える日本投資家たちの行動計画の変化にもある程度反映されている。
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十億USD規模のキャッシュフローが日本からベトナム不動産市場へ大量流入

ベトナム不動産市場におき、日本は中国・韓国に次ぐ「新興プレイヤー」である。特に、複合都市区「ザ・マナー・セントラル・パーク(ハノイ)」プロジェクトにおいて、三菱商事株式会社が2億9,000万USDを投資し、ビテクスコ・グループ(ベトナム)と住宅開発合弁会社を設立したことは大いに注目された。

他にも、ファットダット不動産開発(Phat Dat Real Estates Development Corporation)、アンザー不動産開発投資(An Gia Real Estates Investment and Development Corporation)(ベトナム)及びクリードグループ(日本)間での、リバーシティプロジェクト(ホーチミン市7区)への3社共同出資も注目された取引事例である。当プロジェクトは、投資規模5億USD、12棟・8,000戸、オフィステル・商業用タウンハウスから成る。又、野村不動産株式会社は2015年、大和ハウス工業株式会社、住友林業株式会社、Phu My Hung Development Corporation(ベトナム)と共同で、総投資額約2億2,000万USDに及ぶザ・ミッドタウンプロジェクト(ホーチミン市)の開発に着手した。

2014年のベトナム住宅法に関し、近隣諸国と比較し極めてオープンな規制のもと、外国人の住宅所有を可能とし、不動産市場に大きな変化をもたらした事は明らかである。それこそが、日本最大の不動産基金であるクリードグループが継続してベトナムへ資本注入している理由でもある。又、西日本鉄道株式会社・阪急阪神不動産株式会社は、ナムロンインベストメントコーポレーションと共同で、Flora Anh Dao(フローラ アンダオ)、Fuji Residences(フジ レジデンス)、タウンハウス、高級別荘「Valora(ヴァローラ)」等の様々なプロジェクトに着手した。

住居用マンションのセグメントに加え、オフィスも日本企業のターゲットになっている。野村不動産株式会社は、ホーチミン市1区中心部におけるオフィスビル「サンワータワー(Sun Wah Tower)」の持分24%の購入を発表した。当購入に関し、2018年第1四半期にNOMURA REAL ESTATE ASIA PTE. LTDがプレスリリースにより発表された。これは野村不動産株式会社が出資したアジア太平洋地域における最初のグレードAオフィスビルである。

大規模資本を有する代表的なプロジェクトとして、 BOT方式による第2ギーソン火力発電所建設プロジェクト(投資総額27億9,000万USD、日本人投資家がタインホア省で投資し、発電容量1200MWの石炭火力発電所の設計・建設・運営・譲渡を目標とする)、BOT方式による第1バンフォン火力発電所(投資総額25億8,000万USD、日本人投資家がカインホア省で投資し、発電容量1320MWの石炭火力発電所の設計・建設・運営・譲渡を目標とする)等が挙げられる。

更に2019年暮れには、BRGグループ(ベトナム)・住友商事株式会社(日本)の両社共同でハノイ市にて行われる、投資総額4兆1,380億USDのスマートシティ開発プロジェクトが注目された。こちらは現在、ベトナムにおき外国投資額の最も高い不動産プロジェクトの1つである。

専門家による分析

不動産市場に流入する日本からの投資が急増している理由として、三菱商事株式会社の代表は、「ハノイ、ホーチミンのような大都市は、人口と経済規模が大きく、それに伴う安定的な経済成長は中流階層の拡大につながり、結果、新都市交通システムを含むインフラ開発の需要を促進するからである」と述べた。

株式会社穴吹ハウジングサービス代表取締役社長である新宮 章弘氏は、「日本の投資家たちはベトナムの発展スピード、特には人口増加速度、GDP成長率、都市化率に感銘を受けている」と語った。世界銀行によると、2010年~2015年のベトナムにおける都市化率は3%に達し、タイと同等、インドネシア、シンガポール、フィリピンよりも高く、又、2015年~2020年は2.6%、2020年~2025年は 2.2%と見込まれており、地域におき最も高い数値になると予想されている。

協同組合グローバル・リンク(日本)代表理事である中田 善規氏は「ベトナムだけでなく、カンボジアやインドネシア、又、アジア諸国の不動産市場も非常に発展しているが、ベトナムが最も魅力的な市場だと考えている」と述べている。その最大の判断理由として、ベトナムの安全且つ安定した投資環境、更にはベトナムの不動産分野がNo.1の投資チャネルに向け急成長している事などが挙げられる。

更にベトナム不動産市場は、政治の安定性、経済の着実な成長における優位性がある。「現在はサイクルのピーク期であり、投資家たちはこの機に乗じてベトナム不動産市場へ参入しています。ベトナム政府が一連の改革、経済・業界再編を実施している事から、直ちに投資しなければ確実に間に合わないであろうと危惧しています」と不動産仲介大手CBリチャードエリス(CBRE)ベトナムのシニアディレクターであるズオン・トゥイ・ズン氏は語った。

ベトナム及びその他東南アジア諸国などの新興市場での機会を模索する事は、日本国外での成長を模索する日本企業の取り組みの一環である。更に、日本政府の景気刺激策発動は、海外への資本フロー流出活動の促進にも役立つ。

2020年新年早々、ベトナム不動産への日本からの投資の波をリードしている三菱商事株式会社野村不動産株式会社は、ビングループ子会社であるビンホームズと共同で、ホーチミン市9区における「ビンホームズグランドパーク(Vinhomes Grand Park)」大都市区プロジェクトの第2フェーズ開発への着手を発表した。当日本企業2社は、21棟、合計1万戸を開発すべく1,000億円(約9億8,000万USD)を投資予定。三菱商事株式会社の2021年までの中期経営戦略における最大の海外投資であり、なかでもサービス事業の推進に注力している。

ビングループは、ベトナムの大手民間グループであり、不動産、スマートフォン・自動車製造など、様々な分野で事業展開している。ビンホームズは、ハノイ・ホーチミン両市で数百ヘクタール規模の都市区プロジェクトが実施されているビングループの不動産ブランドである。ビンホームズグランドパークの総面積は271ヘクタールで、人口規模は約20万人。フェーズ1よりベトナム不動産市場を大きく押し上げ、 2019年7月の初期ローンチから既に1万戸以上を販売している。フェーズ2は日本設計スタイルで「 オリガミ(The Origami)」と呼ばれ、人工知能(AI)、出入監視顔認識、交通渋滞・大気汚染を最小限に抑える自律走行バスなど、高度な技術を適用する。当プロジェクトは、都市の全体的な開発計画の下、創造的な都市ネットワークの中心になると期待されている。

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