エネルギッシュに成長しているベトナム不動産だが、最もわかりやすい例として、ホーチミン・ハノイ市場が挙げられる。多彩な屋根の一軒家から、天まで届きそうな高層ビルに至るまで、全てが豊富な不動産投資資本の流れによる、ベトナム都市の大胆な変革の明確な証である。
この発展は2007年、ベトナムの世界貿易機関(WTO)加盟の後、外国投資により推進された事が主だった要因である。世界金融危機以降、5年連続で世界不動産市場が悪化していた中、外国人の買い手は、 2018年第1四半期のみでGDPが7.4%も増加したベトナムへの投資機会を掴む事となった。
外国人投資家からの関心
2015年以降、ベトナム政府は外国人のベトナムにおける不動産所有政策を緩和、外国人投資家に対し、新築住宅プロジェクト総戸数の30%までの所有を可能としたが、これは早い段階で香港、韓国、中国の投資家により購入された。又、在外ベトナム人(越僑)もベトナム国内市場においては積極的な投資グループとなっている。
ベトナム不動産が大きな注目を集めている現状に関しては非常に理解し易い。ヴィラとタウンハウス市場は特に急成長しており、今後2年で1万3,000戸がホーチミン市場へ供給される見通しで、2017年の成約率は67%に達した。又、マンションセグメントも力強い動きをみせ、Aクラスセグメント程ではないが、Cクラスセグメントはベトナム中流階層には手ごろな価格という事もあって好調である。
市場参入
投資家がベトナム住宅市場へ参入する際、事前に何を準備すべきか?最初のステップは、法律文書・手続きをしっかりと把握出来るよう中間業者のサポートを求めること。2015年の改正住宅法により外国人のベトナム住宅購入は可能であるが、売買手続きには未だ幾つかの欠点が存在している。従って、弁護士、又はプロフェッショナルな不動産コンサルティング会社を探し最大限のサポートを受けるべきである。
地域についての理解
北から南まで約2,000キロ超、人口は1億人近くと、決して小さな国ではないベトナムの市場には、多くの投資の可能性があるが、最適な投資チャンスを見出す為には入念に調査する事が投資家には必要である。
首都ハノイ市、ベトナム最大の都市であるホーチミン市は、最も安全な投資場所と見なされている。しかし、観光都市「ダナン」、リゾート地「ニャチャン」、ホーチミン市郊外「ビンズオン」などの二次市場にも隠れたチャンスがある。
更に、潜在的な投資先はホーチミン市中心部にも幾つか存在する。2020年には、同市地下鉄路線の運用開始が予定されており、路線の半径1 km以内の開発プロジェクト価値は、他国市場の公共交通回廊と同様に、最低でも年10%の増加率に達すると予測されている。
もう1つの興味深い市場は、サイゴン川を挟み中心部と反対側に位置する「トゥーティエム(Thu Thiem)」、こちらはホーチミン市内で第2の商業・金融センターになるべく区画整理される場所である。急成長地域である1区を目の当たりにするトゥーティエムは、商業プロジェクト、公共サービス、文化・教育システム、特には住宅を早い段階で開発する見込みである。
税金の枠組み
コンサルタントは、不動産の価値、投資の可能性、及び遵守すべき法的な枠組みに関するアドバイスなどの不動産売買手続きに関する顧客へのサポートが可能である。又、コンサルタントは現行の税金各種について理解すべく、投資家に対し次のようにサポートする。付加価値税10%、管理税及び登録料0.5%。更に投資家は、購入した不動産資産価値に基づく2%の個人所得税で構成される、購入後の税支払い責任を負う。不動産資産が賃貸目的で投資される場合、投資家は総賃貸収益から5%の付加価値税と5%の個人所得税を支払う必要がある。その他、1億VND /年以上の収入があるハイエンド不動産の投資家は、さらに100万VNDの事業税を支払う必要がある。