ホーチミン市東部の都市形成案が首相の支持を獲得

ホーチミン市は2区、9区、トゥードゥック区を合併した2万1,000ヘクタールの土地に100万人以上の住民が住む「東部クリエイティブ都市」の形成を目指している。実現すれば、東部都市だけで他の多くの省市と同等の経済規模を持つことが見込まれている。

ホーチミン市のグエン・ティエン・ニャン主席は5月8日、オンラインでの政府会合に出席。

グエン・スアン・フック首相に対し、「各種の政策を統合し、建設省がプロジェクトの計画書作成を担当することになれば、ホーチミン市は第3四半期(7~9月)に政府に計画書を提出することができる」と報告した。

「東部クリエイティブ都市」計画は、ホーチミン市が長年にわたって目指していたもので、3つのプラットフォームである「9区のハイテクパーク」「トゥードゥック国家大学」「フィナンシャル・センター」は開発の核になるプロジェクト。ホーチミン市のGDPの30%を占め、国全体のGDPの4~5%を占める。

ニャン主席は、都市の誕生を実現するため、3つの区の行政の統合は必須で、他の省市が持っているように市レベルの機能を持つ必要があるとしている。もともと、この3つの区は1975年以前が「トゥードゥック区」であり、農業地域だった。

フック首相は3区の統合を支持しており、新しい都市の名前については後日議論をするとの意見を示した。また、司法省がホーチミン市を指導する役割を担う。

ホーチミン市は東部都市を経済発展の中核とみなしており、「インダストリー4.0」を基盤とした南部での中心的なプラットフォームになることを目指す。特に、ホーチミン国家大学は18の大学や研究機関と協力し、高度人材の供給源にすることを目指す。ハイテクパークは1,066ヘクタールで、13社が拠点を置き、3万6,000人の雇用を創出する見通し。トゥーティエン新都市区の貿易金融サービスセンターは657ヘクタールの規模になる計画。同地区では、高付加価値のサプライチェーン構築を目指しており、ハイテクや世界水準の社会インフラ、効率的な金融サービスによる企業支援が提供される。国民の生活水準を引き上げるため、商業製品の開発に科学技術が活用されることを目指す。