JLLでベトナム資本市場を担当するシニアディレクター、グエン・ティ・バン・カン氏は、ベトナムの不動産市場は2020年第1四半期の動きは緩慢だったものの、すでに国内に進出しているグローバル企業は、辛抱強く投資戦略を進めており、資産の購入や有名な地場企業との提携を続けている。
JLLは各種の取引を観察し、成功している取引の多くは、リスクの変動や需要に知見を持っている投資家によるものだ。こうした投資家は、投資の成果を上げることを目指しており、東南アジアでのポートフォリオを増やそうと努力している。
新たに進出してきた投資家は、より慎重な姿勢を取る傾向がある。資金力は豊富であっても、不確実性が高い局面では、進行中のものを除いた新規投資を中止する。
カン氏によると、投資家は資金を維持し、すでに知っている市場への投資に集中する。価格により敏感にならざるをえなくなる。
新型コロナウイルスの流行に影響された国内の投資家やデベロッパーは、社債の発行やパートナー企業からの資金調達を通じて流動性を確保している。ただ、国内の不動産企業が、不良資産を売却したという記録は第1四半期にはなかった。
多くの外国投資家は、落ち着いており、楽観的な姿勢を維持し、新たな投資機会を探っている。彼らは長期的な視点でベトナムの不動産市場に投資し続けることを目指している。
ベトナムの財務的な環境が強化されれば、より多くの外国投資家から注目を集める存在になるだろう。その場合、取引はより多様なものになり、複雑なものになる。投資家が専門性を高め、取引を加速させるには、不動産投資の助言をするプロフェッショナルなコンサルタントは欠かせない存在となる。
サヴィルス・ベトナムのシニアディレクター、スー・グオック・クオン氏は、市場には潜在的な投資家も非常に多く、彼らは売買や各種プロジェクトを実行する準備ができているとの見方を示す。
これらの投資家は、オフィスビルやホテル、住宅などの3つの分野に集中しており、特にハノイとホーチミン市に目が向けられている。2019年から現在に至るまで、交渉中の取引や妥結が近い取引は合わせて5億ドル相当に上ると見られる。
Nhịp sống kinh tếより