JLLベトナムのレポートによると、2020年第1四半期にホーチミン市で新たに販売されたマンションの戸数は前期と前年同期比で半分減の1,980戸へ低下し、同期の既存供給戸数比では54%を占め、2017年第2四半期以来最低水準になった。同期に成立した売買引取は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行前にプレセール活動によって多数発生した。
廉価クラス及び中級クラスが引き続きトップとなり、販売戸数の80%を占め、主に居住の目的に購入された住宅だった。以前より高級クラスへ投資傾向は停滞していたが、パンデミックの影響を受けてから顕著となりつつある。
法的の問題により不足していた不動産供給は今後もパンデミックの影響でさらに不足している状態を長く続けると予測される。プレセール活動が停止した原因により、新規供給戸数は2014年以来最低水準の2,256戸である。プレセールで販売した戸数も沈滞になり、70%中止になった。
平均販売価格は、高級不動産プロジェクト2件がデベロッパーの変更をしている最中に引取が一時中止になった原因で、前期比15%減の1平米あたり5千800万ドン(約28万円)に低下した。
一戸建ての販売率もこの5年間の四半期平均販売率より低い。第1四半期に発売された443戸の中ベロサパークカンディンプロジェクトは60%を占めた。供給の80%以上は廉価クラス及び中級クラスであり、7区での高級プロジェクト1件、最高級不動産プロジェクトはなかった。
購入需要は面積が広く、緑地のある清潔な環境でお住まいとして物件を購入する買い手から得られた。投資目的の購入者は少なくなり、多数のプロジェクトは完成時期に近づき、支払いスケジュールが短縮で、成約する際、大金のお支払いを要求される場合が多いのは理由であった。
一戸建ての販売価格は1平米あたり1億2千万ドン(約57万円)、前年比38%増、前期比8%の増加となった。価格増加の原因は低下価格のプロジェクトが既に完売したことだ。同プロジェクトの価格は安定したり、四半期ごとに4%未満でわずかに上昇したりする状況にある。
JLLベトナムは同期には供給不足の影響により、不動産価格に対するCOVID-19の影響は明確に感じられないと判断した。さらに、デベロッパーがCOVID-19流行前に設定した価格を維持しようとする。しかし、状況が悪化になった場合、刺激策の検討も必要になっていく。
COVID-19流行の影響下一部のプロジェクトにおける建設進捗及び発売計画が停滞になり、新規供給個数が予想より少ない可能性がある。現状では、期待新規供給戸数はマンション2万~
3万戸、一戸建て1200~2000戸。但し、パンデミックの状況により戸数が大きく変動する事もあり得る。