ベトナム経済2025：投資と貿易指標に表れる前向きな成長軌道
1. GDPの安定的な成長と危機後の迅速な回復
2020～2021年のパンデミックによる深刻な影響を受けたものの、ベトナムのGDPは回復し、2023年以降は7％以上を維持しています。これは、ベトナム経済の強い耐性と、世界的な変動に対する迅速な適応力を示しています。
近年、ベトナムは経済の強力な回復力を証明してきました。
- 2019年：成長率 7.02%
- 2020～2021年：パンデミックの影響を受け、2.91%および2.56%に減少
- 2022～2024年：急速に回復し、5.05%～7.10%を維持
- 2025年第2四半期：成長率 7.96%を記録し、ベトナムが引き続き地域の注目点であることを示しています。
2. 安定的に拡大するFDI流入：国際投資家の信頼を裏付け
ベトナムの登録FDIおよび実行FDIは継続的に成長を遂げています。特に、2025年第2四半期における登録額110億ドルは、ベトナムが依然として多国籍企業にとって魅力的な投資先であることを反映しています。これは、人材コストの優位性、物流インフラの発展、安定した政策によるものです。ベトナムにおけるFDI登録額と実行額は一貫して良好な結果を示しています：
- 2023年：第4四半期に登録額160億米ドル、実行額70億ドルを記録。
- 2024年：大型プロジェクトを含む安定的な資金流入を継続。
- 2025年第2四半期：登録額110億ドル、実行額70億米ドルを新たに獲得し、市場の持続的な魅力を裏付けています。
3. 輸出入は堅調な成長を維持 ― ベトナムはサプライチェーンにおける重要なハブ
2025年上半期において輸出額は2,120億米ドル、輸入額は2,200億米ドルに達し、ベトナムはグローバル・サプライチェーンにおける中心的役割を実証しました。特に、電子機器、繊維製品、農産物分野においてその存在感を強めています。
国際貿易活動は引き続き大きな成長ドライバーとなっています：
- 2022年上半期（H1/2022）：輸出 1,860億ドル、輸入 1,870億ドル
- 2023年上半期（H1/2023）：輸出 1,530億ドル、輸入 1,660億ドル
- 2024年上半期（H1/2024）：輸出 1,800億ドル、輸入 1,920億ドル
- 2025年上半期（H1/2025）：輸出 2,120億ドル、輸入 2,200億ドル ― 力強い成長を遂げ、ベトナムのグローバル・サプライチェーンにおける地位の一層の拡大を示しています。
4. 公共投資は成長のレバレッジとなり、経済発展を促進する推進力となっている
2025年上半期において、公共投資の執行率は29.6%に達し、通年計画の95%達成に向けて進んでいます。これは、政府がインフラ整備を強力に推進し、不動産・産業・物流分野の長期的基盤を築いていることを示しています。
2025年の公共投資執行進捗は顕著に加速しています：
- 2025年1月：執行率 1.2% → 2025年6月：執行率 29.6% に上昇
- 2025年通年：95%の計画達成が見込まれ、インフラ、交通、不動産の発展を牽引する重要なレバレッジとなる見通し。
新しい政策が手続き上の障壁を解消し、不動産市場に追い風をもたらす
2025年において、政府は不動産プロジェクトの法的ボトルネックを解消し、事業展開を加速させるための重要な政策を一連に打ち出しました。
66/NQ-CP決議および78/CD-TTg首相公電では、361件の行政手続きと447件の事業条件を簡素化し、企業にとって時間とコストを30％削減することが強調されています。特に、1/500詳細計画が承認済み、または承認済み都市デザイン区域内のプロジェクトについては、建設許可手続きの削減を優先することで、投資家が事業の進行スピードを短縮できるようになっています。
これと並行して、151/NĐ-CP政令では、従来の県レベルや省レベルでの処理を待つ必要があったのに対し、コミューン人民委員会に住民への「ピンクブック（土地使用権証明書）」発行権限を明確に付与しています。この規定により、申請処理の時間枠が大幅に短縮され、土地管理における透明性と効率性が一段と向上しています。
このように、151号政令や78号首相公電といった政策の同期化により、不動産市場は手続き上の障壁から解放され、プロジェクトの実施期間が短縮されます。これにより、企業と住宅購入者の双方にとって有利な環境が整い、市場における流動性と信頼の向上に寄与すると考えられます。
合併後のホーチミン市：経済・人口・投資機会で先導する新たな大都市
1.「新」ホーチミン市 ― 経済規模と人口で際立つ優位性
合併後の「新ホーチミン市」は、全国最大の経済・都市センターへと躍進し、以下のような印象的な数値を示しています：
- GDP比率：全国GDPの24％を占め、ハノイ（12％）を上回り、ハイフォン、バクニン、ドンナイといった主要省を大きく凌駕。
- 人口規模：2024年時点で1,350万人に達し、ハノイ（860万人）や旧ホーチミン市（950万人）を大きく上回る。
- 都市面積：6,772平方キロメートルに及び、ハノイ（3,359平方キロメートル）の約2倍に相当。さらにバンコク、シンガポール、ジャカルタなど地域の首都都市をも上回る規模。
- FDI誘致額：2024年に67億米ドルに達し、全国トップを記録。その他の主要工業都市を大きく引き離す。
これらの要素が、「新ホーチミン市」をベトナム経済の牽引役（エンジン）とする基盤を形成しています。
2. 産業と物流の一貫したバリューチェーンを構築
新ホーチミン市は規模の拡大にとどまらず、生産 → 運営 → 輸出へとつながる連続的な経済価値チェーンを形成し、次の3つの柱を有しています：
- 産業（工業団地）： 「インプット」の役割を担い、国内外市場向けの商品、部品、資材を生産する拠点。
- コーディネーション・金融・テクノロジー： 「中枢の頭脳」として戦略的意思決定を行い、FDIを誘致し、R&Dやイノベーションを推進。
- 物流・港湾： 「アウトプット」として、最速かつ最適なコストで国際市場へ商品を届けるハブ。
ホーチミン市・ビンズオン省・ドンナイ省・バリア＝ブンタウ省の強固な連携という優位性により、この地域は東南アジアの新たな成長極となり、産業用不動産・物流・商業サービス分野にとって理想的な環境を創出しています。
3. 合併後のホーチミン市における不動産投資の機会
- 住宅不動産：人口の急増と住宅需要の高まりから恩恵を受ける分野。
- 産業用不動産：グローバル・サプライチェーンのベトナム移転により爆発的な成長。
- 商業・サービス不動産：FDIの拡大と1,350万人の消費需要拡大に伴い増加。
合併後の「超都市」としての規模と役割を持つ新ホーチミン市は、ベトナム第1の経済中心であるだけでなく、地域における戦略的な投資先ともなっています。
これらの要素を総合すると、ベトナムは「4つの成長ドライバー」を兼ね備えています。すなわち、持続的なGDP成長 ― 力強いFDI ― 拡大する国際貿易 ― 画期的な公共投資であり、国内外の投資家にとって長期的な展望を生み出しています。ベトナムは引き続き、東南アジアで最も有望な市場の一つであり続けています。
まさに今こそ、外国投資家がベトナムでのチャンスをつかむ「ゴールデンタイム」です。特に、不動産、インフラ、産業製造分野において有望な機会が広がっています。
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