ハノイ市よりも魅力的なホーチミンマンション市場

ハノイ市よりも魅力的なホーチミンマンション市場

2019年のホーチミンマンション価格は、ハノイ市との比較で約7倍の成長率を示しており、賃貸マンション投資に関しても、ホーチミン市はハノイ市よりも高利益となっている現状がある。

賃貸価格がハノイ市より魅力的

ハノイ市ハドン区在住のルオンさんは、ハノイ市・ホーチミン市でそれぞれ賃貸マンションへ投資しているとの事。ハノイ市のマンションは、購入価格30億ドンで賃貸価格1200万ドン/月だが、ホーチミン市でのそれは、購入価格20億ドンで賃貸価格1500万ドン/月であると言う。「恐らくホーチミン市は、ハノイ市よりも市外労働者数が多い割には賃貸マンション供給源が少ない事から、ホーチミン市のマンション賃貸価格のほうが高いのではないか。」とルオンさんは語った。

カウザイ区(ハノイ市)の賃貸マンションへ投資しているハーさんは、全国の様々な地域の賃貸マンション市場の投資効率を調査した後、近い将来、ホーチミンマンションへの投資を選択すると言い、更には、その友達の多くも同様に考えていると語った。又、ホーチミン市在住のチャンさんは、長年働き十分な貯蓄が出来たのちに退職、その貯蓄の半数を郊外の土地に、残りを賃貸マンションへ投資しているとの事。彼女は、郊外の土地のみに投資していては今後、売却後の利益を待つほか毎月の収入が得られないと言う。「その様な考えのもと計算したので、私はホーチミン市で3つのマンションを、それぞれ20億ドンで購入し賃貸しており、月4500万ドンの利益を得ています」とチャンさんは語った。

ハノイ市よりも速い価格上昇

賃貸マンション投資家たちにとってハノイ・ホーチミン両市は、ベトナムで最も活気ある魅力的な市場となっている。但し、ホーチミン市賃貸マンション市場の方が効率良く運用出来ている為、ハノイ市よりも急速な価格高騰が起こっている。

建設省が先週末発表した、2019年不動産市場指数レポートによると、2019年はハノイ市・ホーチミン市双方のマンション価格が上昇した。ハノイ市のマンション価格は2018年比で+0.54%のみであったが、ホーチミン市は+3.52%と大きく上昇、ホーチミンマンションの価格上昇率はハノイ市のそれに対し7倍近く高い事になる。

ハノイ市よりも魅力的なホーチミンマンション市場

Batdongsan.com.vnの統計によると、ハノイ市マンション市場の価格上昇率は、2014年第1四半期から2019年第1四半期までの5年間で、トータル約+16%に留まり、 一方、ホーチミンマンション市場は同期比+53%と、ハノイ市の3倍以上の価格上昇率に達した。

この大きな差について、Batdongsan.com.vnの副社長であるグエン・コク・アイン氏は、「ホーチミン市の賃貸用不動産経営は、ハノイ市よりも遥かに高い利益率を有する為、 ホーチミン市のマンション価格は、より高い増加率で推移する」と語った。具体的には、ハノイ市の昨年第3四半期の平均賃貸価格は1110万ドン/月、利益率は5%であったのに対し、ホーチミン市の平均賃貸価格は同期比で1420万/月、利益率は5.4%に達した。更に、ホーチミン市の都市化率は年間3%であるが、ハノイ市は年間1%に留まる。

ベトナム不動産協会会長であるグエン・チャン・ナム氏は、「市場動向の近い将来に関し、数多くのプロジェクトが凍結されており、供給源は不足し続けるであろう」と予測している。その結果、不動産価格は高騰し、平均所得以下の層をはじめとした人々の住宅所有の機会は少なくなる。しかしながら、2020年の不動産市場は、住居用住宅・投資用住宅双方の需要が高く、依然として著しく魅力的である。

天然資源環境省の元副大臣であるダン・フン・ヴォ氏は、「供給不足が解消されない場合、今年のマンション価格は、最大20%ほど上昇する可能性がある」と述べた。

出典:サイゴンエコノミックタイムズ誌 不動産市場