ベトナム南部のビンズオン省は、ホーチミン市に次ぐ工業・物流拠点として急成長しています。日系企業が多数進出する工業団地やスマートシティが集積し、周辺道路や地下鉄の整備が進むなか、住宅市場も注目を集めています。2024 年にはビンズオン省が 22 億ドルを超える外国直接投資(FDI)を誘致し、累計では 4,400 件のプロジェクトに 424 億ドル以上の登録資本を集め、全国 2 位の FDI 受け入れ地 になりました。各種インフラの整備やデジタル化の推進により、貿易・サービス分野の投資も伸びています。こうした背景のもと、BECAMEX TOKYU(ベカメックス東急)が手掛ける高級分譲マンション「MIDORI PARK THE TEN(以下、The TEN)」は、ビンズオン新都市のランドマークとして注目されています。
1. プロジェクト概要
1.1 開発会社と背景
The TEN は、2012 年に設立された合弁会社 BECAMEX TOKYU Co., Ltd. が開発します。同社は日本の 東急株式会社 とベトナム国営企業 ベカメックス IDC の共同出資で、これまでビンズオン新都市の住宅や商業施設、公共交通を整備してきました。長年にわたり日本の都市開発や鉄道事業で培ったノウハウと、ベカメックスが持つ土地開発・行政ネットワークを融合し、高品質かつ安心な都市づくりを目指しています。
1.2 立地とアクセス
プロジェクトはビンズオン省トゥードゥンモット市の ビンズオン新都市(Binh Duong New City) に位置します。周辺には VSIP II 工業団地や東南部最大級のショッピングモール「イオンモール・ビンズオン新都市」、ビンズオン省国際総合病院、東名高速道路に接続する幹線道路があり、ホーチミン市中心部やタンソンニャット国際空港まで車で約 45 分とアクセス良好です。今後、リングロード 3・4 やホーチミン市—チョンダイン高速道路が完成すると、交通利便性はさらに高まります。
1.3 規模と住戸タイプ
The TEN の敷地面積は約 1万3,654 m²、総戸数は 300 戸。全 10 階建ての中層マンション 2 棟で構成され、1 階にはショップハウスや共有施設が配置されています。各住戸の専有面積は 約 41.1 m² から 489.9 m² と幅広く、以下のような多様なプランが用意されています。
- スタジオ・1 ベッド(約 41 m²〜):投資や単身赴任者向け。
- 2・3 ベッドルーム(約 70〜150 m²):ファミリー層向け。日本式の浴室や収納計画を採用。
- 4 ベッドルーム・デュプレックス:二世帯やゆとりある生活を希望する方向け。
- ペントハウス・タウンハウス・ショップハウス:屋上テラスや専用庭付きの希少住戸も用意。
全住戸の天井高は 3.5 m に達し、床から天井までのガラス壁を採用しているため、広々とした開放感と自然光を取り込みます。建物外観はジグザグ形状で各住戸に植栽スペースやプライベートガーデンを設けることで、都市の中にいながら自然を身近に感じられるよう工夫されています。ロビーや共用部は 5 つ星ホテル水準のデザインを取り入れ、24 時間の日本語対応コンシェルジュサービスも予定されています。
販売価格(2025 年 9 月時点の参考値)
The TEN の参考販売価格(2025年9月時点、為替レート:1円=180VND)は以下の通りです。
実際の価格は階数、向き、設備オプションなどにより変動する場合があります。
2LDK・3LDK タイプ:59,000,000 VND/㎡
4LDK タイプ:61,000,000 VND/㎡
デュプレックス タイプ:70,000,000 VND/㎡
ペントハウス タイプ:74,000,000 VND/㎡
- スタジオルーム:44〜55 ㎡
- 1 ベッドルーム:53〜73 ㎡
- 2 ベッドルーム:89〜115 ㎡
- 3 ベッドルーム:109〜162 ㎡
- 4 ベッドルーム:147〜150 ㎡
- デュプレックス:167〜169 ㎡
- ペントハウス:120〜251 ㎡
- タウンハウス:133〜282 ㎡
- ショップハウス:121〜490 ㎡
1.4 主な設備とサービス
The TEN は高級リゾートのような共用施設を備え、居住者の健康とコミュニティ形成を重視しています。主な設備は次のとおりです。
設備・サービス | 特徴 |
---|---|
温泉(Onsen) | 日本式温泉風呂で心身をリフレッシュ。体と心と精神のバランスを整えるリラクゼーションを提供。 |
インフィニティプール | 大人用・子供用プールとジャグジーを備えた高級プール。周囲にはサンデッキと庭園があり、リゾート気分を味わえる。 |
キッズプレイルーム | 室内遊具や図書コーナー、英語・日本語で運営する託児サービスを提供。 |
ジム&ヨガスタジオ | 最新マシンを備えたフィットネスルームと瞑想・ヨガ用スタジオ。トレーナーは英語・日本語対応可能。 |
コワーキングスペース | 高速インターネットと会議室を完備し、在宅ワーカーや起業家をサポート。 |
コミュニティルーム | 住民同士の交流イベントや文化教室、日本語サークルなど多目的に利用できるスペース。 |
さらに、緑豊かな公園や散策路、BBQ ガーデン、瞑想庭園、感覚庭園などの **「ウェルネス・ライフスタイル」**ゾーンがあり、都市生活のなかで自然とつながる場を提供しています。これらの施設は、投資用として賃貸運営する際にも大きな魅力となります。
2. 市場環境と投資メリット
2.1 ビンズオン省の経済動向
ビンズオン省は長年にわたり外資系工業団地の開発で成功を収め、現在ではサービスや不動産分野への投資が活発です。同省は 2024 年に 22 億ドル超の FDI を誘致し、累積登録資本は 424 億ドル以上で全国第 2 位 に位置します。計画当局によると、 2021〜2025 年の目標 90 億ドルを既に達成(102.74%) しており、新世代の産業団地やスマートシティを建設するため 2 万ヘクタールの土地を用意しています。
FDI の伸びを支えるのは、道路・港湾・空港などインフラ整備への投資と、行政手続きの透明性です。ビンズオン省は国際的な大企業との協力を重視し、Warburg Pincus や Sembcorp、Tokyu、CapitaLand、Aeon などのプロジェクトが都市の発展に寄与していると報じられています。日系企業にとっても、既存の日本人学校や病院、商業施設が整備されている点は大きな安心材料です。
2.2 ベトナム不動産市場の法制度
ベトナムでは外国人による住宅所有が 2015 年の住宅法改正で解禁され、外国人はマンション全体の 30% まで、土地付き戸建ては一定区域内の 10% まで購入できます。所有期間は一般的に 50 年(延長可) ですが、日系企業や駐在員による長期運用が主な目的であれば十分です。購入にあたっては登記税(0.5%)、付加価値税(10%)とメンテナンス基金(2%)が必要となりますが、物件の引き渡し後は所有権証書(ピンクブック)を取得し、売却・譲渡・相続も可能です。
The TEN のように信頼できるデベロッパーが提供するプロジェクトでは、日本語と英語の 二言語契約書 が用意され、法務コンサルタントがサポートします。さらに、ベカメックス東急は入居後の管理や賃貸運営代行までワンストップで対応しており、海外在住の投資家でも安心して所有・運用できます。
2.3 投資メリット
- 高い需要:ビンズオン新都市は政府機関、大学、病院、ショッピングモールなどが集中し、工業団地で働く外国人や高所得者向けの住宅需要が増加しています。今後、ビンズオン省とバリア=ブンタウ省がホーチミン市と連携した都市圏統合を検討しており、土地と不動産価値の上昇が期待されています。
- 信頼性の高い開発会社:東急とベカメックス IDC という日越大手の合弁事業であり、日本式の品質とメンテナンス、きめ細かなアフターサービスが受けられます。
- 資産価値の向上余地:天井高 3.5 m、全住戸のプライベートガーデン、温泉など希少性の高い設備は、将来的な賃料や売却価格の向上を後押しします。
- 利回りと出口戦略:賃貸需要が強いエリアでは年間 6〜8% の表面利回りが期待でき、将来の売却時は外国人にも販売可能です。為替リスクはありますが、円安局面ではベトナムドン建て資産がポートフォリオ分散に寄与します。
3. 購入プロセスと日本人向けサポート
3.1 購入の流れ
The TEN を購入する際の基本的なステップは以下の通りです。
- 物件選択と予約:希望する間取りや階数、向きを選び、予約金(通常 10%)を支払います。日本語サポート窓口がメールやオンラインミーティングで相談に応じます。
- 売買契約の締結 (SPA & LTL):日本語・英語併記の売買契約書を締結し、規定の分割スケジュールに従って支払いを行います。金融機関によるベトナムドン口座開設や海外送金についてもサポートがあります。
- 完成・引き渡し:建物完成後、デベロッパーとともに内覧を行い、不具合があれば修正依頼を出します。残代金を支払い、所有権証書の申請手続きを進めます (SPA & LTL)。
- 賃貸運営または居住:投資目的の場合、ベカメックス東急の不動産管理会社が賃貸募集、入居者対応、家賃回収を行い、定期的な収支報告書を日本語で送付します。自分で住む場合も管理組合が建物メンテナンスや共用施設の運営を担当します。
3.2 日本人投資家への配慮
日本人にとって海外不動産投資には言葉や文化の違い、法制度の複雑さが障壁となります。The TEN では次のようなサポート体制が用意されており、「信頼」「プロセスの透明性」「リスク開示」「アフターサービス」 を重視しています。
- 信頼性重視:開発会社が日越合弁であることに加え、契約書や広告資料は日本語に翻訳され、日本人弁護士によるチェックを経ています。モデルルームには日本語対応スタッフが常駐し、現地視察ツアーもアテンド可能です。
- 明確な手続き:購入スケジュール、支払方法、税金・手数料などの費用が事前に説明され、各種申請の代行サービスも提供されます。完成予定や工事進捗はメールやウェブで定期的に報告され、支払いのタイミングを計画しやすくなっています。
- リスク情報の共有:為替変動や出口戦略、所有期間(50 年)満了時の手続き、空室リスクなど、考えられるリスクシナリオを日本語で説明します。万が一のキャンセルや転売についても柔軟な選択肢を提示します。
- 購入後のサービス:賃貸管理や内装相談、清掃・修理などのアフターサービスをワンストップで提供。日本語での定期レポートにより、遠隔地からでも収益や物件状態を把握できます。
4. ベトナム市場の将来性とまとめ
ベトナムは若い人口構成と安定した経済成長を背景に、不動産需要が中長期的に拡大すると予想されています。特にビンズオン省は、インフラ整備や高付加価値産業の誘致に力を入れており、FDI が経済成長の牽引役となっています。今後、ホーチミン都市圏との連携強化や都市圏再編が進めば、地価や賃料の上昇が期待できます。
The TEN は、
- 上質な建築・設備
- 信頼できる日越合弁デベロッパー
- 将来性豊かなビンズオン新都市の立地
という三拍子を兼ね備え、日本人投資家にとって魅力的な選択肢となります。海外不動産は為替リスクや法制度の違いがあるものの、適切なプロセスとサポートを活用すればリスクを抑えて資産運用の幅を広げることができます。本記事が、ベトナム不動産への理解を深め、The TEN への投資判断に役立つことを願っています。