「ベトナムは物価が安い」という言葉を、あなたも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。経済成長が著しい東南アジアの中でも、ベトナムは旅行先としても、また海外移住先としても、日本人にとって常に高い関心を集める国です。その大きな理由の一つが、この「物価の安さ」にあります。
しかし、そのイメージは一体どこまで本当なのでしょうか。「安い」とは、具体的に日本の何分の一くらいなのでしょうか。旅行にかかる費用は?もし1ヶ月暮らすとしたら、一体いくら必要になるのでしょうか?そして、経済の中心地ホーチミンと、首都ハノイ、リゾート地ダナンでは、物価にどれほどの違いがあるのでしょうか?
この記事では、そんな疑問にすべてお答えします。2025年7月現在の最新情報に基づき、ベトナムの物価を徹底的に解剖。日常の食費や家賃から、旅行者向けのホテル代、交通費、さらには都市による物価の違いまで、あらゆる側面から詳細なデータと具体的な金額(ベトナムドン・日本円併記)を用いて解説していきます。
このガイドを読めば、あなたのベトナム旅行計画や、将来の移住計画は、より具体的で現実的なものになるはずです。さあ、ベトナムのリアルな物価の世界へ、一緒に旅立ちましょう。
1. 全体像:日本の物価との比較で見えるベトナムのリアル
まず、最も気になる「日本の物価と比べてどうなのか?」という点から見ていきましょう。
大まかな目安として、ベトナムの物価は日本の3分の1から2分の1程度とよく言われます。これは、特にローカルな商品やサービスに関しては、ほぼ真実と言って良いでしょう。しかし、ライフスタイルによっては、必ずしも「すべてが安い」わけではないのが実情です。
何が安くて、何が高いのか?
ベトナムの物価の面白さは、その二面性にあります。日本の金銭感覚でいると、驚くほど安いものと、意外にも高いものが混在しています。
【特に安いと感じるもの】
- ローカルフード: フォーやバインミーといった屋台や大衆食堂の食事は、1食150円〜300円程度で楽しめます。これは、ベトナムの食文化が豊かで、外食が日常に根付いているためです。

- 交通費: GrabやGojekといった配車アプリのバイクタクシーは、初乗りが50円以下。市内移動なら数百円で済みます。人件費とガソリン代が日本に比べて安いため、この価格が実現しています。

- ビール: 国産ビールは1缶50円〜80円程度と、お酒好きには天国のような価格です。ベトナムは世界でも有数のビール消費国であり、国内メーカー間の競争が価格を抑えています。

- サービス料: マッサージ、ネイル、散髪といった人件費が中心のサービスは、日本の数分の一の価格で質の高いものが受けられます。これは、ベトナムの労働コストが日本に比べて低いことの直接的な反映です。

- オーダーメイド衣料: ホイアンなどの観光地では、スーツやアオザイを驚くほど安価でオーダーメイドできます。これも人件費の安さによるものです。

- データ通信費: 携帯電話のデータプランは非常に安価で、1ヶ月数百円で十分なデータ量を利用できます。

【日本と同等、または高いと感じるもの】
- 輸入品: ワイン、チーズ、欧米ブランドの化粧品や食品などは、輸入関税が高く設定されているため、日本よりも高価な場合があります。特に乳製品や高品質な牛肉は高価です。
- 電子機器: iPhoneやパソコンなどの最新ガジェットは、世界共通価格か、むしろベトナムの付加価値税(VAT)が加わるため日本より少し高い傾向にあります。
- 国際的なブランド衣料: ZARA、H&M、UNIQLOといったファストファッションブランドは、日本とほぼ同じか、若干高い価格設定です。これは、ブランドが世界的な価格戦略をとっているためです。
- 高級な日本食レストラン: 日本から食材を空輸しているような本格的な寿司店やレストランでの食事は、日本の都心部と変わらない、あるいはそれ以上の価格になることも珍しくありません。
- 自動車: ベトナムでは自動車に対する関税・物品税が非常に高く、同じ車種でも日本の2倍以上の価格になることが普通です。
- 教育費: インターナショナルスクールの学費は非常に高額で、年間200万円〜400万円以上かかることもあります。
このように、「ベトナムの物価」と一括りにするのではなく、「どのような生活を送るか」によって、かかる費用は大きく変動するということを念頭に置いておくことが重要です。
2.【カテゴリー別】ベトナムの物価を徹底分析
ここからは、具体的なカテゴリー別に、詳細な価格を見ていきましょう。 (レートは1円 = 170VNDで計算。2025年7月現在の目安です)
2.1. 食費 (Chi phí ăn uống) – 旅の醍醐味、食のコスト
ベトナムの食費は、ライフスタイルによって最も大きく変動する項目です。
ローカルフード:ベトナムの魂を味わう
街角の屋台(Quán ăn)や大衆食堂(Cơm bình dân)は、安くて美味しいベトナムグルメの宝庫です。
- フォー(Phở): 50,000 – 70,000 VND (約295 – 410円)
- 国民食である麺料理。牛肉のフォー(Phở Bò)、鶏肉のフォー(Phở Gà)が基本です。北部ハノイはさっぱり、南部ホーチミンは甘めの味付けが特徴です。

- バインミー(Bánh Mì): 25,000 – 50,000 VND (約150 – 295円)
- フランスパンのサンドイッチ。店によって具材が異なり、食べ歩きの定番です。ホーチミンでは肉やパテがたっぷり入ったものが人気です。

- ブンチャー(Bún Chả): 60,000 – 90,000 VND (約350 – 530円)
- 炭火焼きの豚肉とつくねを、甘酸っぱいタレにつけて米麺と一緒に食べるハノイ名物。ホーチミンでも多くの専門店があります。

- コムタム(Cơm Tấm): 50,000 – 80,000 VND (約295 – 470円)
- 豚肉の炭火焼きが乗った砕き米のご飯。南部ホーチミンの定番朝食・昼食です。目玉焼き(Ốp la)をトッピングするのが人気。

- バインセオ(Bánh Xèo): 40,000 – 100,000 VND (約235 – 590円)
- 米粉の生地にエビや豚肉、もやしなどを入れて焼いた、ベトナム風お好み焼き。南部は大きく、中部は小さいのが特徴です。

- ベトナムコーヒー(Cà phê sữa đá): 20,000 – 50,000 VND (約120 – 295円)
- コンデンスミルク入りの甘くて濃いアイスコーヒー。路上カフェから高級カフェまで価格は様々。

- ビール(Bia): 15,000 – 25,000 VND (約90 – 150円)
- Bia Saigonや333、Hanoi Beerといった国産ビールは非常に安価です。氷を入れて飲むのがベトナムスタイル。

- チェー(Chè): 20,000 – 40,000 VND (約120 – 235円)
- 豆類、果物、ゼリーなどを合わせたベトナム風ぜんざい。種類が豊富で、デザートに最適です。

スーパーマーケット:日常の食卓を覗く
長期滞在や移住を考えるなら、スーパーの価格は重要です。ここでは、日系スーパーの「イオン(AEON)」と、ローカル系の「コープマート(Co.opmart)」や「Big C(現Go!)」、「Lotte Mart」を比較してみましょう。
| 品目 | ローカルスーパー価格 (VND) | イオンでの価格 (VND) | 日本での参考価格 (JPY) |
|---|---|---|---|
| 牛乳 (Vinamilk, 1L) | 35,000 (約205円) | 45,000 (約265円) | 250円 |
| 卵 (10個) | 30,000 (約175円) | 40,000 (約235円) | 280円 |
| 鶏むね肉 (1kg) | 80,000 (約470円) | 100,000 (約590円) | 1,000円 |
| 豚バラ肉 (1kg) | 120,000 (約705円) | 150,000 (約880円) | 2,000円 |
| マンゴー (1kg) | 40,000 (約235円) | 50,000 (約295円) | 1,000円以上 |
| トマト (1kg) | 25,000 (約150円) | 35,000 (約205円) | 600円 |
| 国産ビール (330ml缶) | 15,000 (約90円) | 17,000 (約100円) | 220円 |
| 日本の醤油 (500ml) | – | 80,000 (約470円) | 350円 |
| 食パン (一斤) | 25,000 (約150円) | 50,000 (日系、約295円) | 200円 |
| 米 (5kg) | 100,000 (約590円) | 250,000 (日本米、約1,470円) | 2,000円 |
| インスタントフォー (1袋) | 7,000 (約40円) | 10,000 (約60円) | 150円 |
この表からわかるように、現地の食材、特に熱帯の果物や野菜は日本よりかなり安いですが、イオンなどで日本の食材やブランド品を購入すると、日本と同等かそれ以上の価格になることがあります。
外食:シーン別のレストラン価格
- ローカルレストラン: 1人あたり 100,000 – 200,000 VND (約590 – 1,175円)
- 中級レストラン(ベトナム料理・洋食): 1人あたり 300,000 – 500,000 VND (約1,765 – 2,940円)
- 日本食レストラン(定食など): 1人あたり 200,000 – 400,000 VND (約1,175 – 2,350円)
- 高級レストラン・ホテルダイニング: 1人あたり 1,000,000 VND〜 (約5,880円〜)
2.2. 住居費 (Chi phí nhà ở) – 生活の基盤、家賃の相場
住居費は、生活費の中で最も大きな割合を占める項目です。都市やエリア、住居タイプによって価格は大きく異なります。家賃は米ドル(USD)で表示されることが一般的です。

都市別・エリア別家賃の目安(1ヶ月)
- ホーチミン市:
- 1区/3区(中心部): 利便性は最高ですが家賃も最も高く、古いアパートが多いです。単身者向け物件は少なめ。
- ビンタイン区(Bình Thạnh): 日本人街ファンビッチャンがあり、モダンなコンドミニアムが多いです。単身者や若いカップルに絶大な人気を誇ります。
- 1ベッドルーム(1LDK):$500 – $800 (約75,000 – 120,000円)
- 2区(現トゥードゥック市): タオディエン地区を中心に、インターナショナルスクールやおしゃれなカフェ、レストランが集まり、欧米人ファミリー層に人気です。
- 7区: フーミーフン地区は韓国人街として知られ、計画的に作られた美しい街並みで治安も良く、家族連れに人気です。
- 2ベッドルーム(2LDK):$800 – $1,200 (約120,000 – 180,000円)
- ハノイ市:
- バーディン区(Ba Đình): 日本大使館や日本人学校があり、日本人駐在員が最も多く住むエリアです。キンマー通り周辺に多くの日系レストランやサービスが集まっています。
- 1ベッドルーム(1LDK):$450 – $700 (約67,500 – 105,000円)
- タイホー区(Tây Hồ): 広大な西湖(タイ湖)があり、開放的な雰囲気で欧米人に人気のエリアです。おしゃれなカフェやレストランが湖畔に並びます。
- 2ベッドルーム(2LDK):$700 – $1,100 (約105,000 – 165,000円)
- ドンダー区(Đống Đa)、ハイバーチュン区(Hai Bà Trưng): よりローカルな雰囲気を好む人に人気。家賃も比較的安めです。
- バーディン区(Ba Đình): 日本大使館や日本人学校があり、日本人駐在員が最も多く住むエリアです。キンマー通り周辺に多くの日系レストランやサービスが集まっています。
住居タイプ別家賃
- ローカルアパート(Nhà trong hẻm): いわゆる現地のアパート。路地裏(ヘム)にあり、エレベーターやプールなどの設備がないことが多いですが、家賃は非常に安い($200〜)です。ベトナムのリアルな生活を体験できます。
- コンドミニアム(Chung cư): プール、ジム、24時間セキュリティ、子供の遊び場などが完備された現代的なマンション。外国人に最も人気のある住居形態です。
- サービスアパート(Căn hộ dịch vụ): 家賃に掃除、洗濯、光熱費、インターネット代などが含まれている物件。家具・家電も完備されており、スーツケース一つで入居できます。単身の駐在員に最も人気がありますが、価格は高めです。
2.3. 光熱費・通信費 – インフラのコスト
- 電気代: 月あたり 500,000 – 1,500,000 VND (約2,940 – 8,820円)。ベトナムは使用量に応じて単価が上がる累進課金制です。特にエアコンを多用する暑季(3月〜5月)は高額になりがちです。
- 水道代: 月あたり 100,000 – 200,000 VND (約590 – 1,175円)。非常に安価です。ただし、水道水は飲用には適さず、飲料水は別途購入(ウォーターサーバーが一般的)が必要です。
- ガス代: プロパンガスが主流。1本(12kg)で 400,000 VND (約2,350円)程度。毎日料理しても数ヶ月持ちます。IHコンロの物件も増えています。
- インターネット代: 月あたり 200,000 – 350,000 VND (約1,175 – 2,060円)。高速な光ファイバー回線がこの価格で利用でき、非常に安価です。
- 携帯電話・SIM代:
- SIMカード: 空港や街中のキャリアショップで50,000 VND (約295円)程度で購入可能。パスポートの提示が必要です。
- データプラン: 1ヶ月のデータパッケージ(例:毎日2GBの高速データ)が120,000 VND (約705円)程度と、驚くほど安いです。キャリアはViettel(最大手)、Mobifone、Vinaphoneが大手です。
2.4. 交通費 – 市民の足のコスト
- 配車アプリ(Grab/Gojek):
- バイク(Xe ôm): 市内の近距離移動(2-3km)なら 15,000 – 25,000 VND (約90 – 150円)。渋滞に強く、最も早く安価な移動手段です。
- 車(Car): 同様の距離で 40,000 – 70,000 VND (約235 – 410円)。空港から市内中心部までは約300,000 VND (約1,765円)。
- バイク購入・維持費:
- 本体価格: ホンダのWave Alphaなど、新車の人気モデルで約20,000,000 VND (約117,600円)。中古なら半額以下でも見つかります。
- ガソリン代: 1リットルあたり約24,000 VND (約140円)。
- 免許: 日本の免許証からの書き換えが可能ですが、手続きが必要です。
- 路線バス: 1回の乗車が 5,000 – 7,000 VND (約30 – 40円)と激安ですが、路線が複雑で旅行者にはハードルが高いです。
- 都市鉄道(メトロ): ハノイとホーチミンで一部路線が開通・建設中です。将来的には主要な移動手段となる可能性があります。
2.5. 娯楽・雑費 – 生活を彩るコスト
- カフェ: ローカルカフェで25,000 VND (約150円)、スターバックスのようなチェーン店で90,000 VND (約530円)〜。
- 映画鑑賞: 1人あたり 80,000 – 120,000 VND (約470 – 705円)。日本の半分以下です。最新の洋画も早く公開されます。
- ジム会員費: ローカルジムで月額500,000 VND (約2,940円)〜。California Fitness & Yogaのような大型チェーンで月額1,500,000 VND (約8,820円)〜。
- マッサージ: 60分のフットマッサージで250,000 – 400,000 VND (約1,470 – 2,350円)。チップが別途必要な場合があります。
- 衣料品: ローカルマーケットや国内ブランドのTシャツは100,000 VND (約590円)程度から。国際的なブランドは日本と価格は変わりません。
- ゴルフ: 平日のプレーフィー(グリーンフィー+キャディーフィー)で1,500,000 – 2,500,000 VND (約8,820 – 14,700円)程度。日本より手軽に楽しめます。
3.【旅行者向け】観光関連の物価
短期の旅行で訪れる場合の費用感を見ていきましょう。
3.1. 宿泊費(1泊あたり)
- ホステル(ドミトリー): 150,000 – 250,000 VND (約880 – 1,470円)。バックパッカーに人気。
- 格安ホテル(2〜3つ星): 500,000 – 900,000 VND (約2,940 – 5,290円)。清潔で必要最低限の設備が整っています。
- 中級ホテル(4つ星): 1,200,000 – 2,000,000 VND (約7,050 – 11,760円)。プールやレストランが併設されていることが多いです。
- 高級ホテル(5つ星): 3,000,000 VND〜 (約17,650円〜)。パークハイアットやインターコンチネンタルなど、国際的なブランドホテルも多数あります。
3.2. 航空券
日本からの往復航空券は、時期や航空会社によって大きく変動します。
- LCC(ベトジェットエア、バンブーエアウェイズなど): セール時なら往復3万円台から。手荷物制限に注意が必要です。
- フルサービスキャリア(JAL, ANA, ベトナム航空): 往復6万円〜12万円程度が相場です。サービスが充実しており、長期休暇シーズンは高騰します。
3.3. 観光地の入場料
- ホーチミン戦争証跡博物館: 40,000 VND (約235円)
- 統一会堂(旧大統領官邸): 65,000 VND (約380円)
- クチトンネル: 110,000 VND (約650円)
- ハノイ文廟・國子監: 30,000 VND (約175円)
- ホアロー収容所跡: 30,000 VND (約175円)
- ホイアン旧市街入場チケット: 120,000 VND (約705円)
3.4. ツアー料金
- メコンデルタ日帰りツアー: 1人あたり 300,000 – 500,000 VND (約1,765 – 2,940円)。内容(食事、ボートの種類など)によって価格が変わります。
- ハロン湾日帰りツアー(ハノイ発): 1人あたり 1,000,000 VND〜 (約5,880円〜)。宿泊付きのクルーズはさらに高価になります。
4. 都市別の物価の違い:どこに住むかで生活は変わる
ベトナムは南北に長い国で、都市によって経済状況や物価も異なります。
- ホーチミン市: ベトナム最大の経済都市。家賃やサービス料、高級レストランでの食事など、外国人向けの物価は国内で最も高いです。しかし、ローカルな生活を送ればコストを抑えることも可能で、選択肢の幅が最も広い都市です。
- ハノイ市: 首都であり、政治・文化の中心。ホーチミンに比べると、家賃や外食費は若干安い傾向にあります。冬は寒いため、暖房器具や冬服の費用がかかる場合があります。
- ダナン市: 中部に位置するリゾート都市。ホーチミンやハノイに比べて家賃や生活費が安く、それでいて都市機能も充実しているため、「住みやすい街」として内外から人気が高まっています。
- ホイアン、ニャチャンなど: 有名な観光地ですが、物価は比較的安めです。ただし、観光客向けのレストランやサービスは割高に設定されていることが多いので注意が必要です。
5.【モデルケース】ベトナムでの1ヶ月の生活費シミュレーション
では、実際に1ヶ月ベトナム(ホーチミン市を想定)で生活すると、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。3つのモデルケースでシミュレーションしてみましょう。
A. ローカル生活満喫プラン(単身)
- ライフスタイル: ローカルアパートに住み、食事は自炊と屋台が中心。移動は主にGrabバイク。
- 支出内訳(月額):
- 家賃(1K):8,000,000 VND
- 光熱費・通信費:800,000 VND
- 食費(自炊・ローカル食):6,000,000 VND
- 交通費(Grabバイク):1,000,000 VND
- 娯楽・雑費:2,000,000 VND
- 合計:17,800,000 VND (約104,700円)
B. 日本人駐在員・快適プラン(単身)
- ライフスタイル: 設備が整ったコンドミニアム(またはサービスアパート)に居住。週に数回は日本食レストランやカフェを利用。移動はGrabカーが中心。
- 支出内訳(月額):
- 家賃(1LDK):17,000,000 VND
- 光熱費・通信費:1,500,000 VND
- 食費(自炊・外食含む):12,000,000 VND
- 交通費(Grabカー):3,000,000 VND
- 娯楽・雑費(ジム、マッサージ等):5,000,000 VND
- 合計:38,500,000 VND (約226,500円)
C. 夫婦・快適プラン(子供なし)
- ライフスタイル: 2LDKのコンドミニアムに居住。外食や週末の小旅行も楽しむ。
- 支出内訳(月額):
- 家賃(2LDK):25,000,000 VND
- 光熱費・通信費:2,000,000 VND
- 食費(自炊・外食含む):18,000,000 VND
- 交通費(Grabカー):4,000,000 VND
- 娯楽・雑費(旅行、趣味など):8,000,000 VND
- 合計:57,000,000 VND (約335,300円)
このように、ライフスタイルによって月々の支出は大きく変動します。
6. ベトナムで賢くお金を使うためのヒント

- 支払い方法: ローカルな店や市場では現金が基本です。高額紙幣(500,000 VND)は、お釣りがもらえないことがあるので、細かいお金を常に用意しておくと便利です。ショッピングモールやレストランではクレジットカードが使えます。近年はQRコード決済(MoMo, ZaloPayなど)も普及しています。
- 価格交渉: 市場や個人の土産物店など、値札のない場所では価格交渉が一般的です。言い値の半分〜7割程度から交渉を始めてみましょう。笑顔で交渉するのがコツです。
- 配車アプリの活用: GrabやGojekを使えば、乗車前に料金が確定するため、タクシーでの料金トラブルを避けることができます。
- ローカルを知る: 地元の人々が利用する市場や食堂は、安くて質の良いものが手に入る最高の場所です。勇気を出して飛び込んでみましょう。
- 銀行口座: 長期滞在の場合は、現地で銀行口座を開設すると便利です。ただし、労働許可証などが必要になる場合があります。
結論:ベトナムの物価は「安さ」と「価値」のバランスが魅力
この記事を通して、ベトナムの物価について多角的に見てきました。結論として、「ベトナムの物価は安い」というのは、特にローカルな生活に根ざせば間違いなく真実です。日本の半分以下のコストで、十分に豊かで快適な生活を送ることは十分に可能です。
しかし、日本と同じような生活水準(輸入品の利用、高級レストランでの食事など)を求めれば、コストは想像以上に上昇します。重要なのは、この国の物価構造を理解し、自分のライフスタイルに合わせて賢くお金を使うことです。
物価の安さはもちろんですが、それ以上に、活気ある文化、美味しい食事、そして人々の温かさといった、値段では測れない「価値」こそがベトナムの最大の魅力なのかもしれません。
この詳細な物価ガイドが、あなたのベトナムでの素晴らしい旅行や生活の計画を立てる上で、少しでもお役に立てれば幸いです。

